「なにを目的にWEBを作るのか」という目的意識をもっていますか?


「なにを目的にWEBを作るのか」という目的意識をもっていますか?

まず、申し上げたいのが、自社のWEBを作ろう(もしくはリニューアルしよう)とした際に「なにを目的にWEBを作るのか」ということが明確になっていますか?という点です。
これがちゃんと整理できていない場合、もしくは、一度決めた目的がブレブレになってしまった場合、これからかける費用がとても高くなってしまう危険があるだけでなく、最悪のケースとして、費用が無駄になってしまう可能性が非常に高いのです。

「WEBサイトを立ち上げたい」とご相談を頂いた際に私からご確認する代表的な内容を3つ書かせて頂きました。意識していただきたのは「どこにお金をかけるべきか?」という点です。WEBを作る目的によってお金と労力をかける対象が明確に異なっている点に注目してみてください。

なお、これは過去に私がWEBのご相談を受けた際に申し上げていることをまとめたものです。ムツカシイ技術的なお話はしていません。
どちらかと言うと経営判断をされている方向けに書いています。したがって、どなたでもご理解いただけるように書いているつもりです。

これから自社のWEBを開設したい、もしくはWEBをリニューアルしたいと計画されている方、とくに経営判断やWEB投資の判断をなされている方に向けて、WEB制作の指針となれば幸いです。

【ケース1】WEBから集客して売り上げを上げたい

WEBから集客して売り上げを上げたいとお考えの場合、お金も根気も必要となってきます。その覚悟を決める必要があります。

まずは、WEBからどのような顧客を集客したいのか、WEBからどの程度の売り上げを見込むのか、計画を立てましょう。その計画に元づいて投資金額が決まってきます。
しかし、これらの計画を立てるのはWEBの専門家でないと難しい場合が多く、かつ、この計画が甘いと、求める結果が得られない(=投資が無駄になる)危険があります。
したがって、WEB専門のコンサルタントに頼るのがもっとも効率的かつ効果的です。コンサルティングにはケチらず費用を投資したほうがよいでしょう。

おそらく、コンサルティングの際にも言われると思いますが、WEB集客を目指す場合、何よりも「売れるWEB」を作る必要があります。つまり「個人の好み」は二の次となり、根拠のない「あれが好き、これが良い」などの主観論は徹底的に排除されます。したがって、あまり好みではないデザインのWEBとなることも多いにあります。「売れるWEB」はアナタや社長の思いを伝えたりアピールする場所ではないのです。売り上げを上げるための場所なのです。自社の思いを伝える事とWEBから集客して売り上げを上げる事が正反対となる可能性があることを覚悟してください(この二つが同じベクトルになるのが理想ですが)。

「売れるWEB」とは極論すればSEO対策に尽きるといっても過言ではありません。そのためには良質なコンテンツを大量生産する必要があります。コンテンツの生産は、内製作業となる場合が多いです(部外者には依頼しずらい為)。つまり、最低でもWEB専門の担当者が一人は必要となります。片手間の担当者ではすぐに計画が破綻します。もちろん人的リソースの確保には費用が必要となることを言うまでもありません。

広告なども出稿する必要があります。どのような媒体に広告をだすのかによって費用は大きく変わりますが、この広告が「売れるWEB」を加速させる起爆剤になります。「売れるWEB」には少なからず広告投資が必要となることも覚悟しておいてください。

加えて、広告投資の金額にもよりますが、WEBから売り上げを上げる為にはある程度の時間が必要です。根気強くWEB運営に投資を続ける必要があります。

これだけの出費と手間をかけてはじめてWEBから売り上げが得られます。ここで申し上げた事は最低ラインです。いずれかが欠けても満足のいく結果は得られないでしょう。極論すれば、いずれかの出費もしくは手間の負担が不可能であるなら「WEBから集客して売り上げを上げたい」という目的はあきらめるべきだとすら思います。中途半端な投資ほど無駄なものはありません。

【ケース2】信用力を向上させたい、自社の認知度を上げたい(自社ブランド力を向上させたい)

まず、自社をアピールするためのコンテンツ作りにお金をかけましょう。
カッコいいWEBデザインも重要ですが、デザインからは伝えたい事のごく一部しか伝わりません。自社やアナタの思いをWEB閲覧者に伝えるにはWEBデザインではなくそのコンテンツが重要なのです。

動画でも、画像でも、文章でも、出来る限りわかりやすくを心がけて、真摯にコンテンツ作りと向き合いましょう。WEBデザインを考えるのはその後です。

何をすべきか迷っているなら、会社案内のパンフレットや会社案内動画などを充実させる(見直す)ことをお勧めします。なぜなら、アナログの会社案内を作る過程でWEB用の素材が固まってきます。その素材を組み合わせてWEB用コンテンツが作成できます。コンテンツができてくればWEBデザインは後からについてきます。WEBデザインというものは、コンテンツが決まれば、おのずと答えが導きだされるもので、そのような状態にあれば、そんなに高額なデザイン費用を払わなくともできるものです。

デザイン費用が高くなる理由の一部を簡単にご説明すると、まず第一に「デザインコンセプト」を決めるところが非常に労力と能力が必要とします。デザインコンセプトが決まっていない場合は、複数のデザイン案を作る必要があります(その中からデザイン選び、かつ修正しながら自社のコンセプトを固めていきます)。つまり、一つのWEBサイトを作成するために、デザイナはいくつものデザインを作る必要があるのです。WEBデザインというものは1案いくら、という見積もりをします。したがって、複数のデザインを作る、となっただけでデザイン費用が2倍、3倍、、、と膨れ上がっていくことは安易に想像していただけるかと思います。

コンテンツを先に作りましょう、というのは、WEBサイトのコンセプトを先に固めてしまいましょう、と同義です。WEBのデザインは難しく思えても、アナログの会社案内パンフレットであれば、比較的想像しやすいかと思います。また、デザインよりもコンテンツを重要視することで、WEBサイトを作る目的である「自社ブランド力を向上させたい」にも直結します。それは、外部業者には出来ないことです。自社でやるべきことなのです。

【ケース3】WEBは世間体のために作るのであって、看板と同じ程度でよい

WEBサイトに求める事がそれほどないのであれば、出来るだけお金をかけずにWEBを開設することを目指しましょう。幸いなことに、今の世には無料でさまざまなことが出来る時代になっています。

全てを自分でやってもよいのですが(そうすればお財布からの出費は限りなくゼロになります)、アナタの行動がすなわちコストであることをお忘れなく。アナタが1日かけてやることを5分でやる人間たちがいます。できるならば、アナタの1日の作業を5分で出来る人材にお金をかけるべきです。その人間たちにお金を渡せば、効率的に「無料」を使いこなせることでしょう。その後のWEBサイトのメンテナンスも非常にラクになります(つまりトータルコストがやすくなることになるのです)。

ここで一つ重要なことがあります。それは、アナタがWEBサイトに求める事をブレることなく定めておくことです。決してそれを崩してはいけません。例えば「会社概要と主力商品の案内さえ乗せておければよい」としていた条件に対して、後から「社長のブログをのせたい」「社員のブログをのせたい」「WEBから問い合わせを受けたい」など欲をだして条件を追加しないことです。ブログを書きたいのであれば、最初から「ブログも書きたい」と、WEBからの問い合わせを受けたいならば「問い合わせフォームを入れてくれ」いう条件をはじめから定めておいてください。あとから追加された場合は、予想よりも大幅なコスト増となることを覚悟してください。その理由を建築にたとえてお話すると、簡単な木造住宅を注文したのに「2階より上をコンクリート造にしてくれ」と同じような注文だからです。2階より上をコンクリート造にするならば、1階部分もコンクリートにしなければ建物が耐えられません。それだけでなく基礎部分もやりなおしです。このような注文には多額の増額費用が請求されてもおかしくないのはご理解いただけるかと思います。この事がしっかりご理解いただけているのであれば、低コストでお望みのWEBサイトができることでしょう。

おわりに

いかがでしたか?ご自身のケースにぴったり合った話ではなかったにしても、ご自身がWEBに何を求めているのか、WEBを作る目的の違いでこれだけ行うべきこと(=お金をかけるべきこと)が異なってくることがお分かりいただけたかと思います。見当違いの作業にお金と労力をいくらかけてもできるもの出来ませんし、目的など達成できるわけありません。つまり、「何を目的にWEBを作るのか」という定義があなたが作ろうとしているWEBのパフォーマンスに直結していると言っても過言ではありません。ぜひ、WEBを持ちたい、とお考えの方は「何を目的にWEBを作るのか」ということを熟慮してみてください。